日置矯正歯科ブログ

2024.02.26更新

子どもの矯正の二期治療とは?

二期治療とは

小児矯正において永久歯に生え変わった後に行う矯正治療のことです。一期治療が乳歯期から混合歯列期に行われるのに対し、二期治療は永久歯が多く生え揃う前後の混合歯期に行われ、大人とほぼ同じ治療方法が用いられます。永久歯自体を動かし、歯並びや咬み合わせを治す治療が行われます。

一期治療と二期治療の違い

一期治療が顎の成長を促進したり、乳歯の位置を調整することで後の永久歯の生える位置や顎の成長を良好に導く治療であるのに対し、二期治療は顎の成長や乳歯の位置が整った状態での永久歯の位置調整や歯並びの最終調整を目的として行います。

二期治療の開始時期

一般的に12歳前後から始めることが推奨されますが、個人差があり、顎の成長や歯の生え具合に応じて異なります。定期的な検診を受けることで、矯正治療に最適なタイミングを判断します。

治療期間

個人の歯の歯並びの状態や使用する装置、通院頻度によって異なり、平均して2年から3年程度が一般的です。治療が終わった後も、歯の後戻りを予防するための保定期間が必要です。

二期治療で使用する装置

ワイヤー矯正やマウスピース矯正などがあります。ワイヤー矯正は一般的な治療方法で、強い力がかかる部分にも使えますが、ブラケット装置やワイヤーが目立つデメリットがあります。マウスピース矯正は目立たないことが特徴で、取り外し可能な装置を使用して歯を動かしますが、自己管理が大事であり、装置を決められた時間装着しないと効果が得られないデメリットがあります。

投稿者: 日置矯正歯科

2024.02.22更新

小児矯正の種類

1期治療は、歯並びそのものを整えるのではなく、顎の骨の成長を正しく促して将来生えてくる永久歯のための土台を作る治療です。一般的に「歯科矯正=ワイヤー」というイメージがあるかもしれませんが、実際にはワイヤーを使った治療は少なく、将来に備えて土台を作ることが主な目的です。

取り外しができる装置(可撤式矯正装置)
取り外し可能な装置は、歯磨き時に外せるため、口内を清潔に保ちやすいというメリットがあります。ただし、24時間装着する必要がないため、効果が現れるまでに時間がかかることもあります。

床矯正(しょうきょうせい)・プレート
床矯正は、子供の成長に合わせて歯列の幅を少しずつ広げる治療です。歯の大きさに対して顎の骨が小さいことが歯並びの凸凹の原因である場合に用いられます。歯の裏側から装置を取り付け、装置内のネジで調整して段階的に歯が並ぶスペースを拡大していきます。永久歯が生えてからスペースを広げる場合は抜歯が必要になることもありますが、子供のうちに床矯正でスペースを作っておくと、抜歯が不要になることもあります。痛みが少なく、取り外し可能なため、歯磨きの際に支障がないというメリットがあります。ただし、咬み合わせが逆の場合など、床矯正のみで歯並びを整えるのが難しい場合もあります。また、症状によっては毎日半日以上の装着が必要な場合があり、装着時間を守ることが難しい子供もいるかもしれません。

バイオネーター(下顎の前方成長を促進させる装置)
バイオネーターは、下顎の成長が十分でなく、上顎が前に出てしまっている顎の咬み合わせを整える装置です。筋肉の動きを利用して下顎が前方に成長するように促します。装置はワイヤーとプラスチックで構成されており、ネジで装置の幅を調整できます。下顎の成長を促すことが主な目的ですが、横方向にも拡大が可能です。就寝中に装着するため、学校や食事の時間には外すことができ、微調整が可能なため痛みが少ないというメリットがあります。ただし、慣れるまでは違和感があり、就寝中に無意識のうちに外してしまうことがあるため、毎日決められた時間の装着が必要です。最初は睡眠時以外にも装着して慣らすなどの工夫が必要になるかもしれません。

ツインブロック
ツインブロックは、下顎が奥に引っ込んでいることで出っ歯になってしまった場合に使用されます。上下両方の顎に装着し、噛むと上下の装置が滑り台のように滑って下顎を正しい位置に誘導する仕組みです。バイオネーターは一体型の装置ですが、ツインブロックは上下が別々になっており、就寝中に外れにくい特徴があります。重い症状にも適しており、痛みが少なく取り外して歯磨きができるメリットがありますが、就寝中や食事中にも装着する必要があり、子供にとっての負担が小さくないデメリットもあります。

F.K.O(アクチバトール)
F.K.O(アクチバトール)は、下顎の成長が停滞しているために上顎が前に出てしまい、咬み合わせが深すぎたり、出っ歯になったりしている場合に使用されます。上下が一体になった装置を口の中に入れて、咬み合わせを正しい位置に誘導し、噛む機能を利用してズレを改善し、下顎の成長を促します。装着中は話しにくくなるデメリットがありますが、大きな装置の割に子供への負担が少なく、就寝中に装着するため日常生活にそれほど影響がないメリットがあります。

インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは、歯型に合わせた透明なマウスピースを装着して歯並びを矯正する装置です。下顎を前方に成長させつつ、歯並びを少しずつ正しい位置に誘導していきます。約6~10歳の間の乳歯が残っている時期から始めることができ、ワイヤー治療より痛みが少なく、透明なので装着していてもほとんど目立ちません。金属を使用しないため、金属アレルギーがある子供でも使用できるメリットがあります。ただし、1日の装着時間が20時間前後と長く、食事や歯磨き以外では常に装着している必要があり、子供によってはストレスに感じる可能性があります。また、6歳臼歯と前歯が2/3以上生えている必要があり、子供の骨格や顎の状態によっては適応外となることもあります。

トレーナーマウスピース
トレーナーマウスピースは、口周りの筋肉をトレーニングして、不正な咬み合わせの原因となっている舌の癖や口呼吸などを改善し、顎と歯列の正しい発育を促す装置です。トレーニングを続けることで舌や頬、唇などの筋肉のバランスを整え、歯と顎を正しい位置に誘導します。

取り外しができない装置(固定式矯正装置)
固定式の矯正装置は常時装着したままなので紛失の心配がありませんが、歯磨きをしても汚れが残りやすいため、磨き残しに注意が必要です。

リンガルアーチ(舌側弧線装置)
リンガルアーチは、主に2つの目的で使用されます。一つは、乳歯が抜けた後に生えてくる永久歯のスペースを確保するためです。乳歯が抜けた後の隙間に隣の歯が移動してしまう習性があり、永久歯が生えるスペースを確保することで、生え変わったときにきれいな歯列を作ることができます。もう一つは、上下の歯の咬み合わせが逆になっている反対咬合の治療です。この場合は前歯部にワイヤーを装着して軽い圧をかける使い方をします。永久歯のためのスペースを確保する目的で使用される場合は、奥歯を土台にしてワイヤーを歯の裏側に通すので、外見からは矯正中であることがわかりにくく、痛みもそれほど強くありません。しかし、装置を外すことができないため、装置が気になって指や舌で触って傷ついてしまったり、歯磨きをしても汚れが残りやすくなったりといったデメリットもあります。

固定式拡大装置(GMD・ペンデュラム・クワドヘリックス)
固定式拡大装置は、奥歯に器具を固定し、歯列を後方や側方に動かす装置です。歯の位置をずらすことでスペースができるので、抜歯をしなくても歯並びを矯正しやすくなります。器具のほとんどは歯の裏側に固定されるので大きく目立つことはありませんが、奥歯に装着する器具がやや見えることはあります。また、歯磨きが難しくなるため虫歯になるリスクが高まったり、食べ物が詰まりやすくなったりといったデメリットがあります。

急速拡大装置
急速拡大装置は、短期間で歯を動かす土台となるスペースを拡大する装置です。効果には個人差があるものの、1ヶ月もかからずにスペースを拡大できることもあります。上顎に装置をつけ、毎日ネジを回して徐々にスペースを拡大していきます。ネジを回す頻度は歯科医師の指示を確実に守る必要があり、自己判断で回転数を変えると、歯が抜けてしまうこともあるので注意が必要です。この装置が適応するのは、上顎骨が成長しきる9~10歳ごろまでの、歯並びの乱れが大きなお子さまが抜歯をせずに矯正したい場合に限られます。また、スペースが拡大したあとも、元に戻らないように装置をしばらくつけておく必要があります。

タングガード
タングガードは、舌で前歯を押さないようにガードする、上顎につける柵のような装置です。話す時やつばを飲み込むときなどに舌を前に突き出す癖があるお子さまは、その習慣から上下の歯が咬み合わなくなったり、口が閉じにくくなったりしやすいので、その改善と防止に使われます。タングガードを装着すると同時に、舌や唇などの筋肉のトレーニングを並行して行うこともあります。

2☓4(ツーバイフォー)や2☓6(ツーバイシックス)
2☓4や2☓6は、部分的に前歯の歯並びを矯正する装置です。奥歯2本を土台にして、前歯4本(もしくは6本)にブラケットという小さなプレートを取り付けてからワイヤーを通します。前歯がまだ乳歯の場合は、前もって歯列を整えておくことで、生え変わった後の永久歯の歯列を整えることができます。また、反対咬合や上顎前突の矯正に使われることもあり、状態によってはヘッドギアやフェイスマスクなどを併用することもあります。歯の表側からワイヤー装置をつけるため、見た目が目立ちやすいデメリットがあります。

投稿者: 日置矯正歯科

2023.12.13更新

ガミースマイルの定義

ガミースマイルの定義

ガミースマイルとは、笑顔の際に歯ぐきが目立ってしまう状態を指します。英語では "gummy face"(ガミーフェイス)とも呼ばれ、愛嬌があり可愛い印象を与えることもあります。しかし、歯ぐきが目立つことにより、思い切り笑えなくなる場合もあります。

ガミースマイルの原因

口周りの筋肉

上唇を引き上げる筋肉が強いと、唇がめくれ上がり、歯ぐきが目立つことがあります。

歯の大きさ

歯の大きさが平均より小さい場合、歯ぐきが目立ちやすくなります。

骨格や歯並び

上顎が前に出ていたり、上顎の骨が縦に長い場合、歯ぐきが露出しやすくなります。歯並びが悪い場合も原因の一つとなります。

ガミースマイルは女性に多い?

特定のエビデンスはなく、女性に多いとは言えません。ただし、芸能人などでガミースマイルをチャームポイントにしている女性がいるため、女性に多いと誤解されることがあります。男性も美しい笑顔を求めて治療を希望することがあります。

ガミースマイルは子どもに遺伝する?
顎の形などの骨格は遺伝的要因が影響する可能性がありますが、すべてが遺伝が原因であるとは言えません。不正咬合を誘発する指しゃぶりなどの癖も影響を与えますが、早めの対応で予防が可能です。口周りの筋肉を鍛えることによっても、軽度の状態であれば改善できる可能性があります。

ガミースマイルの治療法
ガミースマイルの治療法は、その原因によって異なります。以下は一般的な治療方法です。

口周りの筋肉が原因の場合
筋弛緩作用のある天然のタンパク質注射: 口周りの筋肉を緩め、歯ぐきの露出を軽減することがあります。効果は一時的であり、継続的な治療が必要です。

上唇と歯ぐきの粘膜が原因の場合
上唇粘膜切除術: 上唇と歯ぐきのあいだの粘膜を切除して、歯ぐきの露出を調整します。
歯や歯ぐきの大きさが原因の場合:
歯肉整形や骨整形などの歯周外科手術: 歯や歯ぐきの形状を修正し、歯ぐきの露出を調整します。矯正治療との組み合わせもあります。
ワイヤーによる矯正治療: 骨格や歯並びが原因の場合、ワイヤーを使用して歯の位置を調整し、ガミースマイルを改善します。

外科的矯正治療(保険適用の場合)
顎外科手術: 上顎が前に出ていたり、骨が縦に長かったりする場合、顎の骨を移動させる手術が行われ、噛み合わせの改善と歯ぐきの露出の改善が期待されます。

保険適用について
外科的矯正治療: 通常、外科的矯正治療は高額療養費制度の対象となり、保険適用されることがあります。これは、骨格が大きな原因である場合に行われる手術が含まれます。
自費診療: 一方で、筋弛緩作用のあるタンパク質注射や歯肉整形などは保険適用されず、自費診療となります。矯正治療も、外科的矯正治療を併用しない場合は保険適用外となります。
治療法の選択は患者の状態や希望により異なります。歯科医師との相談を通じて、最適な治療プランを立てることが重要です。

 

投稿者: 日置矯正歯科

2023.12.11更新

歯科矯正治療について 歯科矯正治療の種類ごとのメリット・デメリット 歯科矯正治療にはさまざまな種類があります。以下に代表的な矯正方法のメリットとデメリットを説明します。  1. ブラケット矯正 メリット:効果が高く、複雑な歯並びの矯正に適している。治療中に外すことがないため、効果が持続しやすい。広い症例に対応可能。 デメリット:見た目が目立ち、装置のケアが必要。初期の違和感や口内炎のリスクがある。 2. マウスピース矯正(透明なマウスピース) メリット:見た目が自然で目立たない。装着感が軽く、取り外し可能で食事や歯磨きがしやすい。口内炎のリスクが低い。 デメリット:矯正範囲が限られ、重度の矯正には向かない。取り外しが容易なため、着用時間を守ることが重要。 3. リンガル矯正(舌側矯正)(裏側矯正) メリット:見た目が目立たず、外から分からない。矯正範囲が広く、ブラケット矯正と同様の効果が期待できる。 デメリット:舌側に装置があるため、初期の違和感や発音の影響がある。装置のケアがやや難しい。 適切な矯正方法は個人の歯並びの状態や目標によって異なります。専門の歯科医師と相談し、最適な治療方法を選ぶことが大切です。  歯科矯正治療で注意するポイント 歯科矯正治療において注意すべきポイントは以下の通りです。まず、歯科医師の経験と専門性を確認し信頼性を重視しましょう。治療計画や予想される期間、費用について詳細にカウンセリングを受けることが大切です。また、矯正装置の装着による違和感や口内炎のリスクに注意し、定期的なメンテナンスやアフターケアの重要性を理解しておくことが必要です。治療期間中は指示に従い、治療の成功に向けて協力することが良い結果を得る鍵となります。  歯科矯正治療の保険や支払い方法 歯科矯正治療の保険や支払い方法についての概要は以下の通りです。  保険適用:一般的に、歯科矯正は健康保険の適用外です。ただし、保険が適用される場合もあります。 支払い方法:歯科矯正の費用は一括払いや分割払いの制度が提供されることがあります。一括払いの場合は全額を一度に支払うことになりますが、分割払いの場合は複数回に分けて支払うことができます。分割払いには利息がかかることもあるため、支払い条件やコストを確認して選択しましょう。また、クレジットカードやローンなどの方法も一部の歯科医院で利用可能です。 歯科矯正治療の費用や支払い方法については、歯科医院と事前に詳細な相談を行うことで、自身の経済的な状況に合った選択ができます。

歯科矯正治療の種類ごとのメリット・デメリット

ブラケット矯正
メリット:高い矯正効果、複雑な歯並びに有効。治療中は取り外さないため、効果が持続。
デメリット:見た目が目立ち、ケアが必要。初期の違和感や口内炎のリスクがある。

マウスピース矯正(透明なマウスピース)
メリット:見た目が自然で取り外し可能。食事や歯磨きがしやすく、口内炎のリスクが低い。
デメリット:矯正範囲が限定され、重度の矯正には不向き。着用時間の厳守が必要。

リンガル矯正(舌側矯正)
メリット:見た目が目立たず、ブラケット矯正と同等の矯正範囲。外部からは分からない。
デメリット:舌側に装置があるため、初期の違和感や発音の影響がある。ケアがやや難しい。

歯科矯正治療で注意するポイント
歯科医師の信頼性を確認し、詳細なカウンセリングを受けることが重要。
矯正装置の着用に伴う違和感や口内炎に注意し、定期的なメンテナンスを受けることが必要。
治療期間中は指示に従い、協力することが治療の成功につながる。

歯科矯正治療の保険や支払い方法
保険適用は一般的に限られており、費用は自己負担が一般的。
支払い方法には一括払いや分割払いがあり、分割払いには利息が発生する場合もある。
クレジットカードやローンも一部の歯科医院で利用可能。支払い条件やコストを確認して選択することが重要。

大学生の時期に歯科矯正治療を行う重要性

若さと効果的な治療

大学生の時期はまだ若いため、歯科矯正治療がより効果的に行える可能性が高い。歯や顎の成長に合わせて治療を行うことができます。

将来の歯の健康を保つ

歯並びの不具合を早めに解消することで、将来の歯の健康を保つことができる。歯の不正咬合を放置すると、歯周病や虫歯などのリスクが高まります。
外見の向上と自己イメージ: 歯科矯正治療によって外見が美しくなり、自信を持って笑顔を見せることができる。これが自己イメージ向上に繋がり、コミュニケーションや人間関係に良い影響を与える。

咀嚼機能の向上

正しい咬合や顎の位置を得ることで、咀嚼機能が向上し、食事の摂取や栄養吸収に良い影響を与える。これが将来の健康にも繋がる。

大学生が歯科矯正治療を受けるメリット
学生生活への適応: マウスピース矯正やリンガル矯正など、外見への影響が少ない治療法があり、学生生活に適している。
早期治療の有益性: 早期に治療を受けることで、治療期間が短縮され、負担が軽減される。これが大学生の多忙なスケジュールに合致する。
選択肢の柔軟性: マウスピース矯正やリンガル矯正など、患者が外見への配慮や治療期間に応じて選択肢が豊富。患者のライフスタイルに合わせて選ぶことができる。
大学生が歯科矯正治療を検討する際は、専門の歯科医師と相談し、個々の状態に合わせた最適な治療計画を立てることが重要です。

投稿者: 日置矯正歯科

2023.12.04更新

マウスピース型矯正の型取り方法は?3Dスキャナーのメリット

 

マウスピース型の歯列矯正治療では、ますます3Dスキャナーが一般的になりつつあります。通常はシリコン印象を使用して歯型を取りますが、近年では3Dスキャナーを使った歯型取りも増加しています。このスキャナーは歯型取りだけでなく、詰め物や被せ物、インプラント治療などにも広く活用されています。

マウスピース型矯正の型取り方法

マウスピース型の歯列矯正治療における型取り方法は主に2つあります。1つは従来のシリコン印象を使用する方法で、もう1つは3Dスキャナーを用いて歯の表面を撮影する方法です。シリコン印象は歯に粘土状の材料を噛ませ、硬化するまで待つ手法で、不快感が生じることがあります。一方で3Dスキャナーは機械を用いて迅速に歯型を取得でき、他の治療にも適用可能です。

シリコン印象では歯に材料を押し付けて型を取り、それに石膏を流して歯型を作ります。一方、3Dスキャナーでは患者さんに口を開けさせ、歯の表面をスキャンします。この方法は簡便で、休憩も可能です。スキャン後はモニターに歯型が表示され、患者さんは治療前と治療後の予想される歯並びを確認できます。歯列矯正のシミュレーションや治療の進捗状況を明確に把握できるため、患者にとって安心感があります。

マウスピース型矯正の型取りを3Dスキャナーで行うメリット

「オエッ」とならない

従来のシリコン印象では、材料が喉に流れて「オエッ」となる可能性があり、不快感が伴います。一方で3Dスキャナーはお口に材料を入れないため、嘔吐反射の心配がなく、スキャンも短時間で終わります。お口を開けずに済むため、不快感が少ないです。

誤差が少ない

シリコン印象は外す際にずれが生じ、人為的ミスが起こる可能性があります。一方で3Dスキャナーは機械を使用するため、誤差やミスが少なく、作成されるマウスピース型が精度高くなります。


精度が高い

3Dスキャナーはシリコン印象よりも高い精度で歯型を取得できます。シリコン印象は変形や劣化により正確なデータが得られないことがありますが、3Dスキャナーは高解像度で口の中の情報をスキャンし、データをコンピューター上で解析できます。このため、高精度のマウスピース型が作成できます。
噛み合わせの強度がわかる: 一部の3Dスキャナーは噛み合わせの強度を示す機能を備えています。噛んだ際に加わる力がモニターに表示され、噛み癖や不均等な力の分布を知ることができます。

治療後の歯並びのシミュレーションが可能

スキャンしたデータを解析し、モニターに治療後の歯並びのシミュレーションを表示できます。患者は治療後の予想結果を確認でき、治療方針の変更や調整が必要な場合に早めに対応できます。治療経過も把握でき、患者のモチベーション向上に寄与します。

マウスピース型矯正の型取りは3Dスキャナーがおすすめ

マウスピース型矯正の型取りをするのなら、3Dスキャナーがおすすめです。
先述したように、「オエッ」となる不快感がなく、短時間で型取りが終わります。さまざまなメリットがあり、患者さん自身の負担も軽減できます。
従来のシリコン印象による型取りが苦手でマウスピース型矯正をためらっていた方は、3Dスキャナーで型取りをしてくれる歯科医院に相談してみてはいかがでしょうか。

 

投稿者: 日置矯正歯科

2023.11.29更新

鏡を見る女性

インビザラインをネットで調べると、失敗や後悔といったワードを見かけることがあると思います。インビザラインで現在、矯正を行っている方、これから矯正を始めようと思っている方へ、矯正に失敗しないためにやってはいけない事をまとめて見ました。

装着時間を守らない
インビザラインアライナーと言われるマウスピースを1日20時間以上付ける必要があります。取り外しが可能なインビザラインゆえに、装着せずに寝てしまったり、朝歯磨きをしたあとに、取り付けるのを忘れてそのまま外出してしまったりなど、1日の装着時間を守れないケースもあると思いますが、装着時間が守れないと計画通りに歯が動かずに、失敗してしまう場合があります。取り外しが出来ることは、インビザラインのメリットですが、反面、自己管理が必要です。万一そのようなケースが起こった場合の対処法などを歯医者さんに確認してみましょう。

マウスピースの交換期限を守らない
インビザラインは、微妙に形の違うマウスピースを一定期間ごとに交換して、少しずつ刃を動かしていきます。交換時期については担当の医師から指示があると思いますが、交換期限をきちんと守れないと、計画通りに歯が動かずに失敗してしまうことになるかもしれません。

アライナーを装着したまま食事を取らない
インビザラインの治療に慣れてくると、食事の度にアライナーを外すのが面倒になり、はめたまま食事を取られる方がいらっしゃるようです。食事ならまだしも、おやつなどを食べる際にもいちいちアライナーを外すのも面倒くさいというのも分からなくはないですが、アライナーをはめたまま食事を取ることは失敗の原因となります。

奥歯が沈んでいく
アライナーは通常、0.7mmほどの厚みがあります。上下の歯にアライナーを装着したまま奥歯を咬み合わせると2つのアライナーの厚み分の約1.4mm程度の厚みのあるものを噛んでいることになります。そのため、奥歯が骨に沈んでいくように力が加わることになります。アライナーを装着した状態で食事を取り、強くかみしめると、普通に食事を摂る負荷に加えて、アライナーの厚みの分の不可が多くかかり、奥歯が徐々に沈んでいきます。そうなると、アライナーを装着していない状態では奥歯が咬み合わない状態になることが考えられます。

アライナーが変形する
アライナーは弾力のある素材ですので、そう簡単には変形を起こすことはありませんが、咀嚼時には非常に強い力が加わります。咀嚼で歯を動かしているときには、アライナーと歯の間にわずかに隙間が生まれ、隙間のある部分に強い力が加われば、変形してもとに戻らなくなってしまう可能性もあります。アライナーが変形すれば、予定通り歯を動かすことが出来ずに、失敗してしまうことに繋がります。

歯とアライナーの間に食べカスが入る
咀嚼で歯を動かしているときには、アライナーと歯の間にわずかに隙間が生まれることに加え、場所によってはアライナーと歯の間にある程度隙間のある場所もあります。そういった場所に食べ物が入り込むと虫歯や歯肉炎などのトラブルの原因となります。

アライナーが変色する
アライナーを装着したまま濃い色の食べ物を食べたり、飲み物を飲んだりした場合アライナーに色が付着してしまう場合があります。色が付着してしまうと逆に目立ってしまうこともあり、せっかくの目立たない透明マウスピースが台無しになってしまいます。水以外の飲み物を飲む場合もアライナーを外していただいた方が良いです。

歯の食いしばり
歯の食いしばりに関しても食事と同様です。歯を食いしばるときには、歯に非常に大きな負荷がかかります。アライナーを装着した状態で、強く歯を食いしばることはできるだけ避けてください。

アライナーが浮いている
インビザラインのブログやツイッター等を見ると、アライナーが浮いているというワードを見かけることがあります。インビザラインでの治療中アライナーが浮いた状態になっていると、計画通りに歯が動かなくなり失敗につながる可能性があります。ちゃんと歯が動いていれば問題ないですが、再度アライナーを作り直す必要がある場合もあります。1mm程度なら問題ない場合が多いですが、新しいアライナーをつけ始めて数日たっても5mm以上浮いているような場合は担当医に確認してみたほうが良いかもしれません。
若干浮いているような場合は、しっかりとはめるように試してみてください。ただ、その際、歯を思いっきり食いしばってはめようとするとアライナーが傷ついてしまうのでNGです。

投稿者: 日置矯正歯科

2023.11.24更新

女性

マウスピース矯正型装置(インビザライン)矯正は歯の美しさと正しい噛み合わせを実現するための効果的な治療方法として知られています。しかし、矯正中には注意が必要なポイントもあります。その中でも、歯周病のリスクについて懸念される方も多いでしょう。
歯周病は歯とその周囲の組織に影響を及ぼす炎症性疾患であり、歯茎の腫れや出血、歯のゆるみなどの症状が現れます。マウスピース矯正型装置(インビザライン)矯正中は、アライナーが歯に密着し、歯と歯茎の間に微細なスペースができることがあります。このスペースは歯垢や食物のたまり場となり、歯周病の原因となる細菌の増殖を促す可能性があります。

歯周病の原因とは? 
歯周病は、歯とその周囲の組織に炎症を引き起こす慢性的な疾患です。歯茎の腫れや出血、歯のゆるみなどの症状が現れ、進行すると歯を失う原因となることもあります。以下では、歯周病の概要と主な原因・リスクファクターについて説明します。

歯周病の定義と症状
歯周病は、歯周組織(歯茎、歯槽骨、歯根膜)に炎症が生じる疾患です。初期の段階では歯茎が腫れたり、歯磨きや食事時に出血することがあります。これを歯肉炎と呼びます。進行すると歯槽骨が破壊され、歯がゆるんだり歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)が形成されることもあります。この状態を歯周炎と呼び、重度の場合には歯を失うことにつながる可能性があります。
 
歯周病の主なリスクファクターは?
歯周病の主な原因は、プラークと呼ばれる細菌の蓄積です。プラークは歯と歯茎の接触面に形成される無色の粘膜で、食物の残渣や細菌が混ざり合っています。不適切な歯磨きや口腔衛生状態の悪化により、プラークは歯肉に炎症を引き起こす原因となります。
 
歯周病のリスクファクターには以下のような要素があります
1. 口腔衛生の不備:不適切な歯磨きやフロスの使用、定期的な歯科検診の欠如など、口腔衛生の習慣が不十分な場合、歯周病のリスクが高まります。
2. 喫煙:喫煙は歯周病の進行を促進する要因となります。
3. 遺伝的要素:一部の人々は遺伝的な要素により歯周病のリスクが高まる場合があります。
4. 免疫系の問題:免疫系が弱い状態では、歯周病にかかりやすくなります。
5. 年齢:年齢の増加とともに、歯周病のリスクも高まります。
 
以上が歯周病の概要と主な原因・リスクファクターです。予防と早期治療が重要です。適切な口腔衛生習慣の確立や定期的な歯科検診を通じて、歯周病のリスクを軽減し、健康な口腔環境を維持することが大切です。
 
歯周病予防のためのケア方法
歯周病は歯と歯茎の周囲の組織に炎症が起こる状態であり、重要な口腔疾患です。適切なケアを行うことで歯周病のリスクを軽減することができます。
 
1. 正しいブラッシング
毎日のブラッシングは歯周病予防の基本です。以下の手順を守って正しいブラッシングを行いましょう。
正しいブラシの選択: 柔らかい毛先の歯ブラシを選びます。
正しい技術: 歯と歯茎の境目に45度の角度でブラシをあて、優しく歯ブラシを動かします。
全面のブラッシング: 歯の表面、内側、咬合面を丁寧に磨きます。
適切な時間: 2分以上の時間をかけてブラッシングを行います。
歯茎のマッサージ: 歯茎にも優しくブラシをあて、軽くマッサージすることで血行を促進します。
 
2. フロスの使用
ブラッシングだけでは届きにくい歯と歯の間のプラークや食物の残りを取り除くために、フロスを使用しましょう。
正しい技術: 適切な長さのフロスを使い、歯と歯茎の間に優しく挿入します。歯に沿ってフロスを動かし、プラークを取り除きます。
日常的な習慣化: 毎日の習慣としてフロスを使うことが重要です。
 
3. 口腔洗浄液の使用
歯磨きやフロスに加えて、口腔洗浄液を使用することでさらなる口腔衛生の向上が期待できます。適切な口腔洗浄液を選び、使用方法に従って利用しましょう。
 
4. 定期的な歯科検診
定期的な歯科検診は歯周病の早期発見や予防に不可欠です。歯科医師は専門知識と経験を持ち、歯周病の兆候を見逃さず、早期に対処することができます。定期的な検診を受け、プロのケアを受けましょう。

投稿者: 日置矯正歯科

2023.11.17更新

インビザライン

『インビザライン』はワイヤー矯正よりも痛みが少なく、通院の手間も少ないというメリットに目が行きがちですが、インビザライン矯正をする場合には失敗する可能性があることも視野に入れておかなければなりません。
失敗する原因は全て医師のせいにあると考えずに、自分自身でもリスクを極力避けられるよう注意しましょう。


失敗例①:歯根が露出した
矯正によって無理な力を歯にかけることで過剰な歯槽骨(しそうこつ)の吸収を引き起こすことが、歯肉退縮につながり歯根が露出してしまうのです。
歯根が露出すると『ブラックトライアングル』という隙間が形成されてしまうリスクもあり、そうなるとそれを目立たなくするためのさらなる治療が必要になることがあります。
デジタルの治療計画では自由に歯を動かすことが可能ですが、実際のところ歯を支える歯槽骨がない場合や無理な計画をたてた場合にはこのような失敗が起こることが考えられます。

失敗例②:歯列の悪さが悪化した
インビザライン矯正治療は歯列や噛み合わせを良くするための矯正ですが、反対に歯列の悪さが悪化してしまうケースもあります。
特に多く見られるのが正中(口の中心)が合わないケースです。
気になっていた八重歯や出っ歯は綺麗に矯正されて気にならなくなったけど、正中が合わずうまく噛み合わない失敗例が多くあります。
意外とインビザライン矯正が終わるまで気がつかない人も多いようなので、注意が必要です。

失敗例③:噛み合わせが悪化した
また、インビザライン矯正治療で噛み合わせが悪化してしまうケースもあります。
歯科矯正治療とは不正咬合を正して、顎・口腔機能と審美性(見た目)の向上を求めることであり、本来ならば審美性だけが向上して不正咬合が治らないことはありません。
しかし、歯科医師が計画した治療計画やマウスピースに問題があった場合は歯並びだけが良くなり、噛み合わせがより悪化してしまうケースもあるのです。

失敗例④:虫歯・歯周病になった
気をつけたいのがインビザライン矯正治療がきっかけで、虫歯や歯周病になってしまうケースもあります。
その原因は口の中が不衛生な状態になってしまうことで、要因は以下のようなことが考えられます。
・長時間のマウスピース着用
・マウスピースの衛生管理不足
・マウスピースをつけたままの食事
・歯磨きなど口腔内ケア不足
虫歯や歯周病になったと発覚した場合にはそちらの治療が優先されるため、矯正も当初予定していた期間より伸びます。
矯正歯科医院では虫歯や歯周病の治療を実施していない場合もあり、その際は一般歯科で治療を受けなくてはならないので手間がかかりますね。
もし虫歯や歯周病の治療に時間がかかりマウスピースが合わなくなった場合には型取りから・・・といったケースもあります。

失敗例⑤:歯を削りすぎて治療に時間がかかった
インビザライン矯正治療の際、歯を削りすぎたことで本来予定していた治療期間以上に時間が必要になるケースもあります。
矯正治療のなかには歯が動くスペースを確保する一つの方法として、IPR(ヤスリで歯を削る方法)でスペースを確保する場合があります。
この際に『必要以上に隙間をあけてしまったケース』では、予定していた矯正期間では全ての歯が動かなかったりマウスピースの枚数を増やさなければいけなかったりする場合もあります。

失敗例⑥:抜歯で倒れこんだ歯をリカバリーできなかった
インビザライン矯正治療では抜歯で倒れこんだ歯をリカバリーできなかったというケースもあります。
矯正治療には抜歯を伴うこともあり、そうすると奥歯が前に倒れこむリスクがあります。
特にインビザラインでは歯の上にマウスピースが覆いかぶさるので、ただでさえ倒れやすい歯が上からマウスピースに押されてさらに倒れやすくなります。
そのようにして倒れた歯はマウスピースからズレてしまい、矯正治療がうまく進まなくなるのです。
また、奥歯の倒れこみをリカバリーしきれない場合には、結果的にワイヤー矯正との併用が必要になるケースもあるので、抜歯をする際は歯科医師とよく相談すべきです。

失敗例⑦:歯列矯正の効果が薄かった
インビザライン矯正治療では歯列矯正の効果が薄かったと感じるケースもあるようです。

歯列矯正の効果が低い要因
・保定装置をしっかり装着せず後戻りした
・マウスピースを順番通り装着しなかった
・全てのマウスピースを装着しなかった
・一日20時間以上の装着時間がなかった
・途中で虫歯や歯周病になった
上記の原因にはルールを守らなかった場合や歯の後戻りを保定装置をしっかりつけずに後戻りしてしまった場合などが考えられます。
『矯正の効果が薄いと感じるケース』は医師だけの問題ではなく矯正する患者様に問題があるケースも多くあります。
せっかく矯正治療をするのであれば、決められたルールや期間を守ってその治療効果が最大限に発揮されるよう努力していただくことも必要です。

投稿者: 日置矯正歯科

2023.11.14更新

歯並び

「マウスピース矯正中は水しか飲めなくなるのかな・・・」
「飲み会でお酒も飲めなくなるのかな・・・」
マウスピース矯正を始めたばかりの方の多くは、飲む物を変えなくてはいけないのか、気になっているのではないでしょうか。
実は、食事と同様で、マウスピースを外せばなんでも飲めますが、マウスピース装着中の飲み物には注意が必要です。
そこで今回は、「マウスピースを装着したまま飲むべきでない飲み物」と、「もしもそれらを飲みたい場合はどうすればよいのか」を解説していきます。
この記事を読むことで、マウスピース矯正中の、飲み物による虫歯のリスクやマウスピースの劣化を防ぐことができます。
マウスピース矯正中の飲み物について気になっている方は必見です。

マウスピース矯正中に適した飲み物
マウスピース矯正では、矯正器具を装着したまま飲み物を飲むことができます。
ただし、マウスピース装着中に飲むことができるのは、基本的に水のみです。
水は、無色透明で砂糖も含んでいないため、マウスピースを変色させることもなければ、虫歯のリスクになることもありません。

また、炭酸水も砂糖を含まない無色のものであれば、マウスピースを装着したまま飲むことができます。
お茶や紅茶は種類によって色の濃さが異なりますが、色の薄い種類でも色素が透明のマウスピースを変色させてしまう可能性があります。
マウスピース自体の変色や口内環境の悪化につながらないように、マウスピースを装着しているときはの飲み物は水か炭酸水に限定するようにしましょう。

マウスピース矯正中に適さない飲み物
マウスピース矯正では、矯正器具を装着したまま飲むのには適していない飲み物があります。
ここからは、「マウスピース矯正中に適していない飲み物」を紹介していきます。

甘い飲み物
マウスピースを装着しているときは、甘いものを飲まないようにしましょう。
なぜなら、虫歯の原因になってしまうからです。
マウスピースを装着したまま砂糖を含む甘い飲み物を飲むと、マウスピースと歯の隙間に糖質が蓄積されていきます。
すると、口の中に生息するミュータンス菌が糖質を養分にして酸を作り出します。
この酸が歯のエナメル質を溶かして、表面が欠けていくのが、虫歯のはじまりになるのです。
マウスピース矯正中に虫歯になると、虫歯の治療を優先しなくてはいけなくなるため、矯正の期間が延びてしまいます。
矯正期間を延ばさないためにも、マウスピース矯正中は甘い飲み物を避けるようにしましょう。

色の濃い飲み物
マウスピースを装着しているときは、色の濃い飲み物も避けるようにしましょう。
色の濃い飲み物は、透明なマウスピースに着色してしまう可能性があります。
具体的には、コーヒー、お茶や紅茶、赤ワインが色の濃い飲み物の代表です。
マウスピース矯正は目立たないことで人気の歯科矯正ですが、着色してしまうと、マウスピースが目立つだけでなく、清潔でない印象を他人に与えてしまう場合もあります。
目立たずに矯正を進めるためにも、マウスピース矯正中は色の濃い飲み物には注意が必要です。

温度の高い飲み物
温度の高い飲み物もマウスピース矯正中に適さない飲み物です。
その理由は、温度の高い飲み物はマウスピースを変形させてしまうおそれがあるからです。
矯正用マウスピースは、一般的にポリウレタン樹脂でできており、ポリウレタン樹脂は70℃から変形する場合があります。
そのため、沸騰するほどのお湯はもちろん、沸騰してから時間の立っていない白湯や淹れたてのお茶・紅茶は、マウスピースを変形させる可能性があります。
マウスピースが変形してしまうと、再度マウスピースを作り直さなくてはいけないうえに、新しいマウスピースを待っている間は治療を進めることができず、治療期間が延びてしまいます。
特に、海外で作製されるマウスピースは届くまでに3週間ほどかかってしまうこともあります。
マウスピース矯正の代表的なブランドであるインビザラインのクリーニング剤が、40℃のお湯に溶かすように指示されていることからも、変形しないように、マウスピースを40℃以上の飲み物にさらすのは避けるようにしましょう。

マウスピース矯正中にとりわけ注意が必要な飲み物
マウスピース矯正中に適さない飲み物として「甘い飲み物」「色の濃い飲み物」「温度の高い飲み物」を紹介しましたが、その中でもとりわけ注意が必要な飲み物があります。

フレーバーウォーター
マウスピース矯正中にとりわけ注意が必要な飲み物の1つは、「フレーバーウォーター」つまり「味が付いている水」です。
一般的に「モモ水」や「レモン水」という名前で販売されることのあるフレーバーウォーターは、多くの場合、無色透明ですが糖類が含まれています。
「無色透明の水である」こと理由にフレーバーウォーターを飲むと、糖類が含まれていた場合は虫歯の原因になってしまうのです。
また、食品表示法により、飲料の場合100mlあたり含有量が0.5g未満であれば、「糖質ゼロ」と表記することがあります。
「糖質ゼロ」と表記されていても、ラベルやパッケージの「原材料」欄に「糖類」や「果糖ブドウ糖液糖」などが書かれている場合は、糖分となる材料が使われているので注意が必要です。

スポーツドリンク
マウスピース矯正中はスポーツドリンクにも注意が必要です。
なぜなら、スポーツドリンクは他の清涼飲料水と同程度に砂糖を含んでいるだけでなく、「酸」も含んでいるからです。
運動後の疲労回復効果を狙ってスポーツドリンクに含まれるクエン酸やアミノ酸は、口の中で長時間歯に触れると、歯の表面のエナメル質を溶かしてしまい、虫歯へとつながってしまいます。
通常であれば、唾液によって口内が洗浄されたり、中和されたりすることで、酸は歯表面から取り除かれますが、マウスピースを装着していると、唾液の循環が悪くなり、酸を取り除くことが難しくなってしまいます。
酸と糖で虫歯のダブルリスクを抱えてしまわないように、マウスピース矯正中はスポーツドリンクに注意が必要です。

アルコール
アルコールもとりわけ注意が必要な飲み物です。
その理由は、アルコールには糖質を含むものと含まないものがあるからです。
残念ながらアルコールの糖質の区別は、甘さによって判別できるものではなく、材料や製法によって決まります。
甘くない透明なお酒でも、糖質を含んでいるものは数多くあります。

投稿者: 日置矯正歯科

2023.11.09更新

女性

マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を装着して歯並びをキレイに整える矯正です。マウスピース矯正に興味はあるけれど、費用が気になる方は多いでしょう。今回はマウスピース矯正の費用相場や、失敗しないための歯医者の選び方について解説します。

マウスピース矯正とは
マウスピース矯正とは、透明なマウスピース型の装置を使って歯並びをキレイに整える矯正法です。
外見上目立たず、周囲からも矯正をしていると気付かれにくいという特徴があります。
また、ワイヤーやブラケット装置を使った矯正と比べて、マウスピース矯正は装置を自分で取り外しができます。
そのため、歯磨きがしやすく、虫歯になりづらい矯正法でもあります。
ただし、どのような歯並びでも治療ができるワイヤー矯正と違い、マウスピース矯正の場合は、歯並びの状態によって治療ができないことがあります。

マウスピース矯正の費用相場
マウスピース矯正の費用相場は、約10万~100万円となっています。
なぜ価格に開きがあるのかというと、矯正治療は歯並びの状態や治療方法、治療期間などによって料金が大きく変わってくるためです。
また、矯正治療は保険が適用されない自由診療です。
クリニックによって費用に違いが生じ、全て自己負担になってきます。
なお、マウスピース矯正には、すべての歯を矯正する全体矯正と、前歯など一部の歯を矯正する部分矯正の2タイプがあります。
全体矯正の費用相場は、約60万~100万円、部分矯正の費用相場は、約10万~70万円となっています。
部分矯正の場合は、歯の一部のみを動かす治療のため、治療期間が短く、全体矯正と比べると費用も安く行えます。

マウスピース矯正治療の流れと治療費用の相場
マウスピース矯正は、治療する過程でも費用が発生します。
ここでは治療前、治療中、治療後でそれぞれどのような矯正治療を行い、費用はいくら かかるのかを紹介します。
1. 治療開始前
治療開始前にかかる費用には、カウンセリングや相談料、検査や診断料などがあります。
費用の相場は、以下のとおりです。

・カウンセリングや相談料:無料~5,000円
・検査や診断料:無料~65,000円

マウスピース矯正治療を始めるにあたり、歯並びや治療についての悩みや相談など患者さんへのカウンセリングを行います。
その後、歯の状態を診るためにレントゲンやCTなどで精密検査を行います。検査結果に基づいて、患者さんごとにマウスピース矯正の治療計画が立てられます。

2. 治療中
治療中にかかる費用は、診察や調整費用、マウスピース矯正装置費用などがあります。
費用の相場は、以下のとおりです。

・診察や調整費用:無料~10,000円(1回あたりの料金)
・マウスピース矯正装置費用:10万~100万円(治療終了までの料金目安)

患者さんの歯型をスキャナーなどを使って採取し、オーダーメイドで矯正治療用のマウスピースを作成します。
矯正用マウスピースは各メーカーから多くの種類が販売されており、特徴や価格帯もメーカーによって異なります。治療計画に従って、数カ月おきにマウスピース矯正装置を新しく付け替え、歯並びを整えていきます。通院時には、歯の状態のチェックや新しいマウスピース矯正装置の歯型採取や調整、メンテナンスなどが行われます。

3. 治療終了後
治療終了後にかかる費用は、リテーナー(保定装置)費用や保定観察費用などがあります。
費用の相場は、以下のとおりです。

・リテーナー(保定装置)費用:無料~60,000円
・保定観察費用:無料~5,000円(1回あたりの料金)

治療終了後は、歯並びが元に戻るのを防ぐためにリテーナーという保定装置を一定期間装着します。
マウスピースが不要になっても、リテーナーを装着している間は、医師の指示に従って定期的に通院し、歯並びの状態などをチェックします。

マウスピース矯正で失敗しない歯医者を選ぶ5つのポイント
マウスピース矯正は、先述でも説明したとおり高額な費用がかかります。
術後の仕上がりにも大きく影響するため、信頼のできる歯医者を選びたいものです。
ここでは、マウスピース矯正で失敗しない歯医者の選び方について紹介します。

1. 矯正治療に必要な設備が整っている
マウスピース矯正を行う上で、口腔内の状態を正確に診断できるかどうかは、クリニック選びで重要なポイントとなります。
大抵のクリニックではレントゲン設備は整っていますが、口腔内の2次元的な情報しか得ることができません。
頭部や口の中を撮影できるセファロレントゲンという設備が整っているところであれば、レントゲンよりも詳しい口腔内の情報を得ることができるため、患者さんの歯並びにより適した治療計画を立ててもらうことができます。

2. 矯正治療の選択肢が豊富
矯正治療の選択肢が多いクリニックであれば、口腔内の状態や治療期間、費用 などにあわせて、さまざまな提案をしてもらえるでしょう。
特に、マウスピース矯正では、歯並びの状態によって治療ができないことがあります。
その場合であっても、矯正治療の選択肢が多いクリニックであれば、他の矯正方法によって治療をしてもらうこともできます。

3. 一般歯科との連携が可能である
矯正専門歯科で矯正治療を受けるのであれば、一般歯科と連携が可能かどうかもクリニックを選ぶ際のポイントになります。
矯正専門歯科では、基本的に虫歯や歯周病治療などは行っていませんので、治療前や治療中に虫歯や歯周病になってしまった場合は、一般歯科で治療を受けなくてはいけません。

4. カウンセリングがしっかりしている
カウンセリング時に、治療内容や期間、費用について分かりやすく丁寧に説明をしてくれるかもチェックすべきポイントです。
マウスピース矯正治療に限らず、どの治療にもメリットがある反面、デメリットもあります。クリニックによってはメリットばかりを強調するところもあります。マウスピース矯正のメリットはもちろん、デメリットもしっかり説明をしてくれるクリニックは信頼ができるでしょう。

5. 自宅や仕事場から通いやすい
マウスピース矯正は、治療が終わるまでに1~3年ほど期間がかかります。
また、治療期間中は、1~3カ月おきに定期的な通院が必要になってきます。
負担をかけずに長く通い続けられるよう、自宅近くや学校、仕事帰りに立ち寄れるクリニックを選ぶのがいいでしょう。
また、駅からのアクセスの良さも、通いやすさを見極める上でのポイントになってきます。

投稿者: 日置矯正歯科

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